症例紹介
CASE
- 2024.12.12
No.291外科症例(犬、外傷性股関節脱臼、非観血的整復・骨頭切除術)
「ソファーから落ちてしまった。その後、痛そうにしている。」という主訴で4歳のトイプードルが来院しました。
レントゲン検査にて股関節背側脱臼が認められたため、全身麻酔をかけて非観血的整復(メスなどを使わず脱臼した足を元の位置に戻す処置)を行いました。
本来、骨盤の寛骨臼という部位に収まっていたはずの大腿骨頭が矢印の方向に脱臼してしまっています。犬の股関節脱臼は、本症例の様な部位への背側脱臼が最も多いパターンです。関節周囲の軟部組織への影響や関節軟骨の変性を最小限に留めておくために、できるだけ早期に整復が求められます。
しかし、脱臼したときに骨盤と大腿骨頭を繋いでいる靭帯や股関節を包んでいる関節包も切断されているため、処置後の包帯法や絶対安静を徹底しても非観血的整復の再発率は高いとされています。
本症例もしっかり脱臼を整復し、包帯法や絶対安静を厳守していただきました。
しかし、処置後の6日後の検診時には再脱臼が認められました。
そのため、大腿骨頭切除手術の流れとなりました。股関節の安定化手術や股関節全置換術も選択肢としてご提案しましたが、今回はご相談の結果、大腿骨頭切除術を選ばれました。
術後の経過は順調で、手術2週間後の抜糸の頃には、しっかりと足が着けるまでになりました。今後は太ももの筋肉が落ちないようにしっかりと適度な運動を続けていきましょうね!
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