症例紹介

CASE

  • 2024.12.18

No.293外科症例(ハムスター、子宮蓄膿症)

かかりつけ病院とセカンドオピニオンの2つの病院で子宮蓄膿症と診断を受け、抗生剤の投薬治療を行っていたキンクマハムスターが来院されました。「前日から体調が悪化してしまい、ぐったりしている。食餌も全く食べない。」との内容でした。

診察室で飼い主さんのお話しを伺っている最中も体調が明らかに悪く、目を開けているのも、呼吸するのもしんどそうな状態でした。
また、エコー検査で子宮の拡張が見られただけでなく、レントゲン検査では肺の不透過性が亢進し、肺水腫も起こしていることがわかりました。

容態が非常に不安定であったため、初診当日の手術はあまりにもリスクが大きすぎると判断し、まずは内科で一般状態を安定させ、麻酔や手術が受けられる体調になったらすぐに手術を実施することになりました。

内科治療を始めて3日後には、元気食欲・呼吸のいずれも改善し、その日に手術を行いました。

摘出した卵巣と子宮です。黄色く丸を付けた部分は卵巣です。反対側に比べて顕著に大きくなっています。また子宮全体も太くなっており、一部は硬くしこり状になっていました。腫瘍などの鑑別診断のために病理組織学的検査をご案内しましたが、ご希望されず確定診断には至っておりません。

術後も状態は安定しており、手術直後にも関わらずゲージの中をあちこち散策したり、マイペースに過ごせていました。そして手術当日、元気に退院となりました。

翌日の再診ではさらに調子も良くなり、食餌もモリモリ食べてくれていました。

一時は命に関わるような体調不良に見舞われ、飼い主さんにも覚悟を決めていただきましたが、こうやって元気になってくれ、スタッフ一同心から嬉しく思います♫手術がんばってくれてありがとうね!

 

 

 

 

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