症例紹介

CASE

  • 2025.2.9

No.302 外科症例(モルモット、眼球摘出、角膜分離症)

かかりつけの動物病院で眼球突出の治療を行っていた症例です。長期に渡り頑張って治療を行っていたそうですが、眼球がだんだんと飛び出してきてしまい、眼球表面の乾燥も重度になってしまっていました。その旨をかかりつけ病院で相談したところ「もう打つ手はない」と言われてしまい、しばらく様子を見ていたそうですが、困った飼い主さんが当院のホームページをご覧になって来院されました。
来院時は食欲もなくなってしまっており、体重も落ちてしまっていました。

来院時の状態です。左眼が飛び出してしまったことで、瞬きすることが出来ないため、角膜表面が極度に乾燥しています。

眼球自体や眼窩(眼球の収まっている窪み)に腫瘍ができて眼球が飛び出してしまうケースも少なくないため、眼球摘出が根本的な解決に繋がらない可能性も事前にお伝えしました。ただ、目が出てしまっていることだけでも本人にとって辛い状況でしたので、少しでも痛みのコントロールが出来るならばと前向きに手術をご希望されました。

手術や麻酔は問題なく済み、手術後の再診では食餌も少し取れていました。

摘出した眼球の検査結果は「角膜分離症」でした。
角膜分離症とは、角膜黒色壊死症とも言われます。一般的には猫ちゃんに見られる病気です。眼球の外側を覆う角膜(人がコンタクトレンズを乗せる部位です)に黒い沈着物が付着してしまう病気です。沈着物の色は黒色でないこともあります。沈着物が肥厚したり、壊死・脱落したりします。現時点では特定の原因ははっきりしていないですが、ドライアイや外傷、眼瞼内反症などが素因として考えられています。

今回の症例は、経過が長く当院を受診したときにはすでに眼球が維持できない状況でしたので、すぐに眼球摘出を行いました。軽度の症例であれば点眼薬などの内科治療が適応になることもあります。

術後の経過は非常に順調で、術後すぐに以前のような元気・食欲を取り戻してくれました。抜歯の頃には、痩せてしまっていた体重もしっかり戻り、元気いっぱい!手術を行って、本当に良かったね!!!

 

 

 

********************************************************
MORIYA Animal Hospital
モリヤ動物病院(トリミングサロン・ペットホテル併設)
中町センター病院(町田市)
 東京都町田市中町2丁目15-18 TEL:042-726-1500
つきみ野病院(大和市)
 神奈川県大和市つきみ野8丁目13-9 TEL:046-271-6660
 トリミングサロン専用 TEL:080-9086-8980
********************************************************

記事一覧

English