症例紹介

CASE

  • 2019.12.3

再生医療・脂肪幹細胞療法(犬、乾性角結膜炎・ドライアイ)

数年に渡り、乾性角結膜炎(ドライアイ)を患ってきたシニアのペキニーズです。

乾性角結膜炎(ドライアイ)は、その名の通り、涙が正常に作られなくなってしまう病気で、人間同様わんちゃんの発症率も高い病気です。涙が作られなくなると、元々自分の体が作っていた抗菌成分や免疫細胞などが目の表面に届かず、感染を起こしやすい状況となってしまいます。また、角膜は潤いがないと本来の強度が発揮できないため、まばたきなどのちょっとした刺激でさえ、角膜潰瘍(目の表面の傷)の原因となっていまいます。乾性角結膜炎(ドライアイ)の症例は、黄緑~緑色の感染性の目ヤニが大量に目の周りに付着してしまうことも特徴の一つです。

ご自宅で、点眼薬などできる限りの治療を全て徹底してもらっていましたが、病気の性質上なかなか思うように涙の量が増えず、今回の再生医療(脂肪幹細胞療法)に踏み切りました。

この症例は、ちょうど歯石取りを行う時期だったので、それに併せて脂肪幹細胞療法も実施しました。脂肪幹細胞という、炎症を抑えてくれる細胞を結膜(白目やまぶたの裏の膜)や瞬膜(目頭にある動物特有の膜)に局所注入しました。今回は、よりドライアイの程度が強い右目のみ、脂肪幹細胞を注入しました。

処置後、1か月後の検診時の写真です。お家でも目ヤニの出る頻度が減り、飼い主様も過ごしやすくなったそうです。お顔を見ても処置前に比べ、目がすっきりしています。1分間にどれくらい涙が出るかという涙液量検査でも、処置前は数年に渡りずっと0mmだった涙が3mmに増えていました。

乾性角結膜炎(ドライアイ)は使用する目薬の頻度も多く、飼い主様の負担も大きい病気です。従来の治療法で効果が出にくい場合には一度ご相談ください。

 

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