症例紹介
CASE
- 2024.2.7
内科症例(犬、急性出血性腸炎:ジアルジア)
5歳、雄、体重11㎏と体の大きなイタグレ君です。
2日前から嘔吐と下痢が認められ、自宅で絶食などして経過を見ていたが、悪化してきたとのことで来院されました。
もともと食欲旺盛な子ですが、食欲は低下。元気も60%くらいまで低下しているとのことでした。吐いたのは計6回。下痢はさらに悪化し、診察中垂れ流すくらいの重度の下血になっていました。体温は40.1度と高く、何度も下血を繰り返していましたので、血液検査と糞便検査を行うこととしました。
CRP: 21.6 ㎎/dLと全身性の炎症があることが示唆されました。
そのため、飼い主様のご希望で3日間の入院をする事になりました。
抗生剤・止血剤・抗炎症薬・ビタミンB12 ・制吐薬を注射し、毎日血管点滴を行いました。
出血量が減り、下血は徐々に改善し3日目には形のある便に戻りました。
入院2日目には食欲も改善し、ガツガツ一瞬で食べきるくらい食欲旺盛なイタグレ君になりました。
糞便検査で、「ジアルジア」という寄生虫感染が原因であったことがわかりました。
当院の初診日は2023年10月ですので、子犬のころの様子やそれまでの経過が分かりませんので、いつからジアルジアに感染していたのかは不明です。
しっかり駆虫薬を処方し、ジアルジア感染症の治療も行いました。
退院後も元気に通院してくれています。
< 寄生虫疾患 >
回虫・線虫・条虫・コクシジウム・ジアルジアなど、ワンちゃんが感染する寄生虫はいろいろ存在します。いつ?どのから?感染したのか分からないことが殆どです。散歩・ドックラン・公園・ペットショップやブリーダー・お泊りなど感染する機会は多々あります。
症状が見られない場合や下痢など消化器症状を示す場合などがあります。
検査は簡単!「糞便検査」ですぐに判明します。痛くなく負担もほとんどない検査なので、定期的に受けてみるのもオススメです。
治療は駆虫薬の投薬です。一言に駆虫薬といっても、寄生虫の種類によって駆虫薬が異なります。かならず、糞便検査で寄生虫を特定してから、投薬を行うことを推奨いたします。
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MORIYA Animal Hospital
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