予防医療
PREVENTIVE MEDICAL TREATMENT
避妊・去勢について
当院では、犬、猫、ウサギ、フェレットの避妊・去勢手術を行っております。
避妊、去勢手術は生後6ヶ月齢以降を目安に行います。去勢手術は精巣摘出術、避妊手術は卵巣子宮全摘出術を行っております。
基本的には術前検査(血液検査、胸部レントゲン検査)を行い、麻酔のリスク等を評価した後、手術に臨みます。
当院の避妊去勢手術のコースでは一人ひとりの体調や性格に合わせて選べるいくつかのコースを設けております。
当院で推奨している安心パックは術前検査を行うコースで、麻酔や手術のリスクを事前に予測することができます。
麻酔をかける際の特別なリスクの有無や麻酔薬を代謝する機能に問題がないか、またどの種類の麻酔薬を用いるかなどを判断する基準になります。
お手軽パックは術前検査を省いたコースで、リーズナブルなコースです。
また、当日に退院するコースと1泊2日のコースがあります。
- 抜糸までの間(10日~14日間)は傷口保護のため、エリザベスカラーやエリザベスウェアーを着用していただきます。
お持ちでない方は病院での処方が可能です。 - 抜糸の際は上記費用とは別に抜糸代がかかります。
避妊手術について
早期に避妊手術を行うことで乳腺腫瘍のリスクが減少するという研究発表があります。
3回目の発情までに避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率が減少し、さらにその中でも避妊手術のタイミングが早い方がより効果的に発生を抑えることができます。
初回発情の前に避妊手術をした時の乳腺腫瘍発生率 0.05%
初回発情の後に避妊手術をした時の乳腺腫瘍発生率 8%
2回目の発情後に避妊手術をした時の乳腺腫瘍発生率 26%
6カ月令までに避妊手術をした場合に抑えられる乳腺腫瘍のリスク 91%
1歳までに避妊手術をした場合に抑えられる乳腺腫瘍のリスク 86%
2歳までに避妊手術をした場合に抑えられる乳腺腫瘍のリスク 11%
避妊手術をしていない犬や猫は7倍乳腺腫瘍のリスクが高いと報告されています。
一方で、デメリットもあります。それは、肥満傾向になりやすいという点です。
手術後は性ホルモンのバランスが変化することで、脂肪の代謝が減り、食欲が増すため体重のコントロールがより一層重要になります。
手術後もいつでもダイエットや食餌管理のご相談に乗りますので、是非お気軽にお声掛け下さい。
その他、発生率は低いですが、尿失禁やホルモン性の皮膚疾患(脱毛など)などの報告もあります。
このようなリスクは事前に予測することはできませんので、ご理解下さい。
猫 避妊
猫避妊手術 | 当日退院 | 1泊2日 | ||
---|---|---|---|---|
お手軽コース | 安心コース | お手軽コース | 安心コース | |
内訳 | 35,200 | 48,400 | 37,400 | 50,600 |
犬 避妊
犬避妊手術 | 当日退院 | 1泊2日 | ||
---|---|---|---|---|
お手軽コース | 安心コース | お手軽コース | 安心コース | |
1~5kg内訳 | 47,300 | 60,500 | 49,720 | 62,920 |
5~10kg内訳 | 49,500 | 62,700 | 52,580 | 65,780 |
10~15kg内訳 | 62,700 | 77,000 | 66,220 | 80,520 |
(消費税込)
去勢手術について
去勢手術は前立腺肥大・会陰ヘルニア・ホルモン起因性の腫瘍の発生を抑える上で効果的です。前立腺肥大は犬の中高齢に多く見られる疾患で、排便障害、排尿障害、疼痛、血尿などが主な症状として認められます。
去勢をしていない中高齢犬で前立腺肥大が生じ、高齢になってから緊急で去勢手術を行うケースが目立ちます。その予防として、若いうちに去勢手術をおすすめします。
一方で、デメリットもあります。それは、肥満傾向になりやすいという点です。
手術後は性ホルモンのバランスが変化することで、脂肪の代謝が減り、食欲が増すため体重のコントロールがより一層重要になります。
手術後もいつでもダイエットや食餌管理のご相談に乗りますので、是非お気軽にお声掛け下さい。
その他、発生率は低いですが、尿失禁やホルモン性の皮膚疾患(脱毛など)などの報告もあります。
このようなリスクは事前に予測することはできませんので、ご理解下さい。
猫 去勢
猫去勢手術 | 当日退院 | 1泊2日 | ||
---|---|---|---|---|
お手軽コース | 安心コース | お手軽コース | 安心コース | |
内訳 | 24,200 | 37,400 | 26,400 | 39,600 |
犬 去勢
犬去勢手術 | 当日退院 | 1泊2日 | ||
---|---|---|---|---|
お手軽コース | 安心コース | お手軽コース | 安心コース | |
1~5kg内訳 | 35,200 | 48,400 | 37,620 | 50,820 |
5~10kg内訳 | 35,200 | 48,400 | 38,280 | 51,480 |
10~15kg内訳 | 47,300 | 61,600 | 50,820 | 65,120 |
(消費税込)
ウサギ・フェレット避妊・去勢
ウサギ・フェレット避妊手術 | 当日お手軽コース | 当日安心コース |
---|---|---|
内訳 | 53,900 | 70,400 |
ウサギ・フェレット去勢手術 | 当日お手軽コース | 当日安心コース |
---|---|---|
内訳 | 37,400 | 53,900 |
(消費税込)
ウサギ、フェレット以外は直接お問い合わせください。
-
術前検査…麻酔をかける前に、血液検査とレントゲン検査を行います。
血液検査は麻酔薬を体が代謝、排泄できるかどうかを確認するためのものです。薬物を代謝する肝臓、薬物を排泄する腎臓を始め、幅広く一般的な項目をチェックします。<血液検査内容>
ヘマトクリット値、白血球数、血小板数、血漿タンパク、血糖値、肝酵素、腎臓数値、尿素窒素など<胸部レントゲン検査>
肺の状態、気管のサイズ、心臓の大きさなどをチェックします。これにより挿管する気管チューブのサイズを選定したりします。もし異常が見つかればより詳しい検査(心臓のエコー、心電図など)を行います。これらの検査結果によっては麻酔薬をより負担が少ないものに変更したり、麻酔前後の手当内容を変更するため、とても大事な指標になりますので、術前検査を行うコースをお勧めします。ただし、麻酔薬の種類を変更・追加したり、特別な処置が必要になった場合には状況に応じて料金が変わります。
術前検査なしのコースは麻酔や手術に対するリスクの予測、安全性の保証は出来ません。このコースを選択された場合にトラブルが生じた際、当院での責任は負えませんのでご了承下さい。 - アナフィラキシーショックなどの特異体質、縫合糸反応性肉芽腫などの副反応については、術前検査では予測不能ですので、予めご了承下さい。特異体質における有害事象が生じた場合、できる限りの治療・救命は行いますが、当院は責任を負えません。
- 抜糸までの間(10日~14日間)は傷口保護のため、エリザベスカラーやエリザベスウェアーを着用していただきます。 お持ちでない方は病院での処方が可能です。
- 抜糸の際は上記費用とは別に抜糸代がかかります。
予防接種・ワクチン
混合ワクチン
混合ワクチンは飼い主さんの任意で接種します。混合ワクチンはその名前の通り1本のワクチン接種で数種類の病気を予防できます。
ワクチンの種類(8種混合ワクチンなど)はその子の生活スタイルなどに合わせて選びますので、詳しくは獣医師にご相談下さい。
当院では5種・8種のワクチンを接種することが可能です。
わんちゃんの混合ワクチン接種の流れ
<子犬の場合>
生まれた時にお母さんからもらった免疫(母子免疫)が切れはじめる生後6週齢以上で、1回目を接種します。
その後、1ヶ月おきに2回のワクチンを接種します。(合計3回)
以降、1年おきにワクチン接種を推奨します。
<1歳を過ぎても・・>
お出かけ先や身近な散歩コースに伝染病の危険が潜んでいます。
愛犬を守るため、年1回の接種をお奨めします。
<シニア期を迎えたら・・>
ますますワクチン接種が大切になります。
高齢になるとワクチン接種の必要がなくなると考えている方がいらっしゃいます。
しかし、年をとって免疫力が低下してくると感染症のリスクがより一層高まり、また感染した場合にも重篤化する可能性が高くなります。
そのため、感染症から身を守るワクチンは一生を通じて重要となります。
ねこちゃんの混合ワクチン接種の流れ
<子猫の場合>
生後8週齢以上で、1回目のワクチンを接種します。
その後、1ヶ月おきに1~2回の追加接種をします。(合計2~3回)
<1歳以上>
毎年1回の混合ワクチンを受けましょう。
※ワクチンは万が一のアレルギー反応に備え、午前中に接種することをお勧めします。
ワクチン接種後の注意点
- ワクチン接種当日は安静にし、2~3日は激しい運動やシャンプーは控えてください。
- 神経質な犬や猫では、注射当日痛みを訴えたり元気がなくなったりすることがあります。このような場合は安静にし、ご心配な方は当院までご連絡ください。
- アレルギー体質の犬や猫では、稀に嘔吐、下痢、唇や瞼の腫れや痒みが認められたり、虚脱や注射部位の浮腫を起こすことがあります。
このような異常が見られた場合は当院までご連絡ください。 - ワクチン接種後、2週間を過ぎるまでは免疫が十分ではありません。
狂犬病
日本では狂犬病予防法という法律により、1年に1回のワクチン接種が義務付けられています。
生後91日齢以上の犬は飼い始めて30日以内に1回、その後は毎年1回注射を受けるルールがあります。
「日本には狂犬病の発生がないからワクチン接種も必要がないんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的に見ると狂犬病の発生がない国のほうが圧倒的に少なく(全世界で7地域のみ)、その他の国では狂犬病は今も発生しており、毎年数万人の方が亡くなっています。
海外との往来が密接になった現代では、島国の日本でもいつ狂犬病が入ってくるかはわかりません。
狂犬病はほとんどの哺乳類が感染し、一度発症すると致死率100%、治療法がないおそろしい感染症です。毎年の予防接種でもしもの時に備えましょう。(人間への主な感染源は「犬に噛まれること」との報告があります。)
狂犬病に関する法律
1)市町村への登録
2)毎年の予防接種
3)鑑札、注射済票を首輪につけること
当院では狂犬病接種の市への登録・手続きを、無料で代行しております。
※町田市、相模原市、大和市の方
フィラリア予防
フィラリア症とは・・・蚊が媒介する寄生虫によって起こる病気です。フィラリアが肺動脈や心臓に寄生することにより発生します。
フィラリアは成虫になると最大30cmにもなる糸状の細長い寄生虫で、多数寄生すると血液の流れが障害され、死に至る病気です。
また、フィラリアはねこちゃんにも感染します。特にねこちゃんの場合、少数のフィラリア寄生でも命に関わることや、診断がつけにくいことが特徴ですので、わんちゃんのフィラリア症以上に予防が重要な病気です。
お外にお出掛けしない動物やマンションの高層階に住んでいる動物でも感染例が多く報告されています。
大切な家族を守るために毎年、どの子も予防を行いましょう。
ダニからうつる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。国内でSFTSの感染が発見されたのは2013年です。西日本を中心にSFTSの発生は続いています。もちろん、ウイルスを持ったダニが関東でも検出されているため、安心は出来ません。人への感染力が強く、重症化しやすい病気です。
人の症状ははじめ風邪症状に似ていると言われています。しかし、熱が続き消化器症状がみられ、血小板が減少していきます。最悪の場合、命を落とします。
ダニから動物や人を守る確実な手段はありません。しかし、毎月しっかりノミダニ予防を行うことで、少しでも人とペットの命を守ることが大切です。
予防 年間スケジュール
スケジュール | |
---|---|
フィラリア予防薬 (1ヶ月に1回) |
4月~12月 |
フィラリア注射 (1年に1回) |
期間限定 3月~6月 |
ノミ・ダニ予防薬 (1ヶ月に1回) |
4月~11月 |
狂犬病ワクチン (1年に1回) |
1月~12月 (4月~6月は狂犬病予防月間) |
混合ワクチン (1年に1回) |
個体によって異なります。 (1年中接種可能) |
健康診断の意義
私たちにはたった1年であっても、ワンちゃんネコちゃんにとっては1年が約5~6年に相当します。
私たちより早く年を重ねる家族の健康を守るため、最低でも年に1回の定期的な健康診断を推奨します。
検査で大きな異常が見つからなかった場合であっても、次回の検査時に明確な比較基準値となるため、とても有用な結果です。
早期発見・早期治療に心がけましょう。
モリヤ動物病院は「Team HOPE」に所属しており、健康診断を推奨しております。
「Team HOPE」の願い・・・長寿はもちろん、ペットの一生のうちの「健康な時間」を延ばしてしていくこと!
当院では毎年2月に健康診断キャンペーンを実施しており、みなさんが気軽に受けていただけるよう、健康診断の結果を書類としてお渡ししております。
1年1年の検査結果を大切に保管していただけたら幸いです。
定期的に毎年健康診断を受けていただき、早期診断・早期治療につながっております。
健康診断は色々なコースがあります。年齢や持病、体調によって最適なコースを選んであげましょう。もし、コース選びで迷うことがあれば獣医師にご相談下さい。
健康診断コース
- Aコース《クイックコース》¥2,200・・・ 1歳未満におすすめ[身体検査]
- Bコース《お手軽コース》¥16,500・・・ 1~5歳におすすめ[身体検査+血液検査]
- Cコース《スタンダードコース》¥22,000・・・ 5~8歳におすすめ[身体検査+血液検査+腹部レントゲン検査]
- Dコース《しっかり安心コース》¥29,700・・・ 8歳以上におすすめ[身体検査+血液検査+腹部レントゲン検査+腹部エコー検査]
その他:糞便検査¥3,300 / 尿検査¥1,100
※上記は税込価格になります
身体検査 | 血液検査 | レントゲン 検査 |
エコー検査 | BNP・甲状腺検査・便検査・尿検査 | |
---|---|---|---|---|---|
Aコース | ○ | ||||
Bコース | ○ | ○ | |||
Cコース | ○ | ○ | ○ | ||
Dコース | ○ | ○ | ○ | ○ | |
Eコース | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
健康診断コース別詳細
Aコース:一般身体検査 所要時間目安 30分程度
体重測定、聴診、視診、触診体温、心拍数、呼吸数、皮膚チェック、腫瘤チェック、口腔チェック、眼科チェック、外耳炎チェック、歩様検査などの一般身体検査
Bコース:一般身体検査、血液検査 所要時間目安 60分程度
Aコース+血液検査(糖尿病、腎・肝不全、貧血、炎症などの有無)
Cコース:一般身体検査、血液検査、腹部レントゲン検査 所要時間目安 60分程度
Bコース+腹部レントゲン検査(臓器の形態、大きさ、解剖学的位置など)
Dコース:一般身体検査、血液検査、腹部レントゲン検査、腹部エコー検査 所要時間目安 120分程度
Cコース+腹部エコー検査(臓器の構造、変性、血流など)
Eコース:一般身体検査、血液検査(一般血液検査+心臓バイオマーカー検査+甲状腺ホルモン検査)、腹部レントゲン検査、腹部エコー検査、糞便検査(外注検査)、尿検査 所要時間目安 120分程度
Dコース+腹部エコー検査+糞便検査(外注検査)+尿検査+心臓バイオマーカー検査+甲状腺ホルモン検査
※ご希望の方は、料金はそのままで、腹部レントゲン検査、腹部エコー検査を胸部レントゲン検査、胸部エコー検査にも変更できます。
※所要時間目安は混雑具合により、長引くことがありますので、予めご了承ください。
当日の流れ
(1)予約優先ですので、予めお電話下さい。
毎年、月末になると大変混みあいますので、早めにご予約をお願い致します。
(2)当日は6時間以上、絶食でご来院下さい。
(絶食でなくとも検査可能です。しかし、項目によっては結果に影響が出る恐れがあります。)
(3)受付にて、問診表をご記入下さい。
いつもの生活の中で気になっていること、心配なこと、些細なことでも結構ですので、なんでもご記入下さい。
普段ずっと一緒に過ごしている飼い主様にしか気づけない、大切なサインかもしれません!
(4)診察室にお呼びします。
コースや混雑状況によっては、お預かりとなります。お時間に余裕のある日の受診をおすすめします。
(5)検査報告書は1週間後のお渡しとなります。獣医師が詳しくご説明いたしますので、ご都合の良い日に再度ご来院下さい。
(予約不要。9:00~12:00/14:00~18:30)
検査報告書は、今までの結果と併せて大切に保管をしてください。
ご希望の方は、オプションで
尿検査、糞便検査、猫のウイルス検査(FIV:猫免疫不全ウイルス、FeLV:猫白血病ウイルス)、犬のワクチン抗体価検査を追加することも可能です。
こんな子にオススメ
尿検査
膀胱炎や尿石症が心配な方。腎不全の早期発見をご希望の方。
糞便検査
お散歩やお外に外出する子の寄生虫感染の有無。便の状態チェック。
甲状腺ホルモン検査
中高齢になると甲状腺疾患に罹患しやすくなります。犬では甲状腺機能低下症、猫では甲状腺機能亢進症が多くみられます。定期的にホルモン検査をオススメします。
NT-proBNP検査(心臓バイオマーカー)
小型犬では弁膜症が多発します。心臓病の進行評価に役立ちます。また、猫では心雑音のない心臓病が多く存在するとされています。隠れた心臓病の発見に役立ちます。
猫のウイルス検査(FIV:猫免疫不全ウイルス、FeLV:猫白血病ウイルス)
お外やベランダにいく子。多頭飼いの方。保護猫ちゃんや野良猫ちゃんを飼われた方。
犬のワクチン抗体価検査
歳だから、アレルギー体質だから、他の子と会わないから・・いろいろな理由でワクチンを見合わせている方。また、ワクチンを3年に1回にしたい方。
愛犬・愛猫にどんな検査が必要なのか?
迷ったときは当院スタッフにお気軽にご相談下さい。