症例紹介

CASE

  • 2024.11.11

内科症例(2歳、猫、尿道閉塞における急性腎不全)

2歳のサイベリアン君。

1週間前に他院でワクチンを受けて、その後から体調が悪くなったため、ワクチンアレルギーが心配になったとのことで初めて当院に来院されました。

熱があり元気と食欲がないとの主訴でしたので、身体検査から行いました。

体温は38.3度と平熱でした。触診で、硬くなった膀胱が触知できたため、排尿状況を確認しました。しかし、同居猫ちゃんも居るため尿が出ているか不明とのことでした。

尿道閉塞を疑い、尿カテーテルを挿入してみました。尿カテーテルの挿入が不可であったため、ワクチンの影響ではなく「尿道閉塞」と診断しました。尿道の洗浄を行い、カテーテルを挿入しました。

それにより、真っ赤な血尿のおしっこが確認でき、合計200mlほど抜去しました。

食欲不振と元気低下のある尿道閉塞は腎臓にも影響している可能性が高いため、検査を行いました。予想通り、重度の腎不全を併発していました。

<初診時の血液検査結果>①SDMA 46㎍/dL(正常0-14) ②CREA 10.0mg / dL(正常0.8~2.4) ③BUN 130㎎/dL以上(正常16~36)④カリウム 7.0mmol/L(正常3.5~5.8) ⑤SAA  92.45㎍/ml(5.49以下)

<尿検査結果>pH7,尿潜血(3+)、尿蛋白(3+)、尿比重1.011、ストラバイト結石、細菌多数存在

そのため、緊急入院して治療を行うこととしました。

入院で血管点滴を行い、急性腎不全・高カリウム血症の治療を開始しました。また、入院初めのうちは自力排尿が出来ず、カテーテルで排尿をさせていました。

徐々に元気になり、排尿も自分で出来るように改善していきました。それと共に食欲も出て、スリスリ甘えるくらいご機嫌になりました。

腎不全も良化傾向にあり、入院治療8日目無事に退院しました。

<退院時の血液検査結果>①SDMA 15㎍/dL(正常0-14) ②CREA 1.8mg / dL(正常0.8~2.4) ③BUN 41㎎/dL(正常16~36)④カリウム 4.5mmol/L(正常3.5~5.8)

このように重度の腎不全からは脱することが出来ましたが、慢性腎不全の経過を辿っています。

まだ2歳ですが、今後も腎不全の治療を継続していく必要があります。これからも元気に毎日生活できるようスタッフ一同でサポート致します!

 

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