症例紹介
CASE
- 2018.7.25
外科処置(猫、脱肛)
今回の症例は、生後2か月の子猫です。
お尻から赤いものが出ている、という主訴で来院されました。どうやら、数日間下痢が続いていた様です。
診察をすると、「脱肛」をしていました。脱肛とは、お尻の穴から腸の一部分が反転して出てきてしまう状態をいいます。よく似ているものに、「脱腸」がありますが、腸がどの程度出てきているかが違いです。今回の症例は直腸のみの脱出のため、「脱肛」となります。
←お尻から直腸が出てしまっています。出てきた腸は炎症を起こしていしまい、時間の経過とともに浮腫が強くなり、パンパンになってしまっています。
度重なる下痢で、腸が外に出てきてしまったようです。脱肛の一般的な原因として、下痢のほかに出産、腫瘍などがあります。何かしらの理由で、踏ん張りが強くなりすぎてしまうと、腸も一緒に出てきてしまうのです。
腸を整復するだけで済む症例もありますが、今回は、腸の出方が強くすぐに再脱肛を起こしてしまったため、鎮静をかけて整復手術を行いました。
←出てきた腸を押し戻し、巾着縫合を行い、また出てきてしまわないようにします。
今回は下痢が原因ですので、腸を戻すだけでなく、下痢の治療も並行して行いました。
この子は、脱肛を起こしてからすぐに来院されたので、腸の状態は安定していますが、脱肛を起こして時間が長く経過すると、飛び出た腸に血がまわらず、紫色になって壊死を起こしてしまうこともあります。
みなさんも、もし、ペットのお尻から何か出ているときは、すぐに病院にいらしてくださいね!
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MORIYA Animal Hospital
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