症例紹介

CASE

  • 2018.10.9

No16.外科症例(猫、毛球症)

1日前から吐くという主訴で来院したシニア猫です。1日前に毛玉を吐き、それ以降数えきれないくらいの回数の嘔吐が認められたということです。食欲は全くなく、水も飲まないということでした。普段はよく怒る子らしいのですが、昨日からは起こりもせず、大人しくしていて違和感を感じていたそうです。

レントゲン検査にて、心配な点が見つかったため、バリウム検査に移行しました。その結果、造影剤が胃から先に全く進んでいかず、手術の適応となりました。

手術をしてみると、私たちが懸念していた通り、腸の中に異物が閉塞し、腸がパンパンに膨らんでいました。腸を一部分あけて、異物を摘出したところ、とても大きく、フェルト状に固まった毛玉(毛球)が詰まっていました。

←全長8cmのカチカチに硬くなった毛玉が腸に詰まっていました。

手術をした直後から、少し体調が良くなったのか、怒れるようになりました。手術の前は採血をしても、レントゲン検査で横に寝転がしても、何をしても全く怒らなかったのですが、手術後は少し顔を覗き込んだだけでもシャーシャーとしっかり怒るようになりました。いつもみたいに怒れる元気が出てきてくれて、私たちも一安心です。腸が閉塞していたことが、手術を受ける以上に辛かったのだと改めて感じました。楽になってよかったね。

手術の2日後からは、食餌も食べるようになり、手術から3日後には元気に退院していきました。

この症例のように、猫ちゃん、特に長毛種の子は毛球症になるリスクが高いため、「ヘアボールコントロールにする」、「サプリメントを使う」、「こまめにブラッシングをする」、「毛繕いが多い子はトリミングで毛を短くカットしておく」、などして、少しでもリスクが抑えられると良いです。

ただ、しっかり気を付けて普段からケアをしていても、毛球症にならないとは限りませんので、猫ちゃんの体調に変化がないか、常に注意を払っていてくださいね!

 

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