症例紹介
CASE
- 2018.10.17
膵炎の新しい治療薬を導入しました。
この度、当院では新たに膵炎治療の新薬を導入致しました。
膵炎は、何かしらのきっかけにより、膵臓に炎症が起きる病態を言います。一般的に、重度の腹痛が出やすく、また、全身状態にも影響を及ぼします。場合によっては、多臓器不全に陥り、ショック状態や死に至ることもある病気ですので、注意が必要です。
<膵臓の生理>膵臓は、胃から十二指腸にかけて存在する、長細い臓器です。消化酵素を分泌する働きがあり、食餌が入ってくるとそれに反応して、膵臓から十二指腸に消化酵素が分泌されます。
<原因>盗み食い、糖尿病、腫瘍、ストレス、特発性(原因が特定できない)など様々です。中高齢の動物、メス、肥満動物や、脂肪分の多い食餌の動物に多く発生すると言われています。
<症状>食欲がなくなる、吐く、下痢、元気がなくなる、腹痛など様々です。「この症状があったら膵炎!」というような、特異的な症状は残念ながらありません。特に、猫は上記の症状が全く見られない、あるいは症状が軽度で気付けないことも多くあります。
<診断>血液検査、エコー検査、病理組織検査など。
←膵炎の血液検査キット。これだけでは確定診断にならないこともあるため、炎症マーカーやエコー検査、臨床症状など複合的な判断で膵炎を診断します。
<治療>膵炎の重症度により、治療は大きく変わります。通院手当てで済む軽度な症例から、入院下で徹底的な管理が必要な症例まで、実に様々です。抗生剤、消炎剤、鎮痛剤、制吐剤、輸液など、トータルケアが必要となります。また、食餌療法も重要で、脂肪分の少ない食餌にする必要があります。
今回の新薬が適応になるのは、犬の急性膵炎です。膵炎は、炎症が起こることで白血球が血管に入り込み、さらに炎症が拡がっていきます。この薬は、その流れをストップさせ、白血球が浸潤しないようにする薬です。
獣医療も日進月歩で新薬の開発が進んでいます。最新の情報をキャッチアップし、それを迅速に導入することで、一頭でも多くの命が救えるように、これからもスタッフ一同尽力して行きたいと思います。
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MORIYA Animal Hospital
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