症例紹介

CASE

  • 2023.5.14

No.185外科症例(犬、橈尺骨骨折の整復手術)

13ヶ月齢、3㎏の小型MIX犬の症例です。

自宅で2段ベットから落ちてしまったとのことで、当院に来院されました。右前肢が明らかに変形し、骨折していることが疑われたため、レントゲン検査を実施しました。

 

レントゲン検査で、前肢(橈骨と尺骨の両方とも)が骨折しているのが確認できます。

緊急に当日手術を行う事になりました。金属のプレートを入れてスクリューで固定する「プレート固定法」を行いました。

手術写真です。折れた骨が確認できます。

この骨の位置を正常位まで整復し、プレートとスクリューでしっかり固定しました。

手術は無事に成功しました。

これからはケージ内で安静にする「ケージレスト」をしながら入院治療に入ります。ロバートジョーンズ包帯をしてケージ内で運動制限をします。

元気いっぱいの男の子で、自宅での安静が難しいとのことでしたので、飼い主様との相談の結果3週間入院治療をすることになりました。1週間ごとにレントゲン検査を行い、経過が良好であったため、先日無事元気に退院しました。

<犬の骨折の豆知識>

①小型犬に多い ②前肢(橈骨/尺骨の骨折)の骨折が一番多い ③骨折手術のプレートとスクリューは後日摘出するための再手術を行うことが多い

<骨折の手術方法>

①ピン・プレート固定法 ②創外固定法 ③外副子固定法

それぞれ利点と欠点があり、一般的に完全骨折の場合は①のプレート固定法を行う場合が多いです。しかし、プレート固定法は、プレートやスクリューを抜去するための再手術が必要となる場合が多いため、術後2~3か月後には再手術を行う必要があります。

<骨折手術後の生活>

安静第一です。人であれば、松葉杖などを用いて足がつかないように生活します。しかし、ワンちゃんは術後に痛みが改善してくると、元気に足を地面に着地させ自由に動き回ります。

そのため、「ケージレスト」という安静が必要です。ケージレストとは、小さなケージ内のみで長期間生活することを言います。そのため、トイレや食事もケージ内で出来て、走ったりジャンプするなどが出来ないくらいのスペースでの生活を行います。

リハビリや運動は獣医師の指示に従って行いましょう。家の中を自由に歩くことは禁止です。

 

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