症例紹介

CASE

  • 2023.6.17

No.191外科症例(猫、膀胱結石)、内科症例(猫、変形性関節症)

トイレに行くがおしっこが出ないという主訴でシニア猫ちゃん(MIX)が来院しました。その後、尿検査で細菌性膀胱炎が見つかり、レントゲン検査で膀胱結石が見つかりました。

膀胱結石については開腹手術を行い、すべての結石を無事に摘出しました。術後もすぐに快方に向かい、元気に退院しました。

猫ちゃんは飲み水の量が少ないことで知られている動物です。飲み水の量が少なくても生きていくことはできますが、健康上はやはり好ましい状況ではなく、様々な病気のリスクが増えてしまいます。リスクが増える病気には、尿石症・膀胱炎・腎不全などがあります。猫ちゃんの体重1kgあたり50mlの飲水量を心がけましょう。

例:3kgの猫ちゃん→150ml、5kgの猫ちゃん→250ml、7kgの猫ちゃん350ml

また、この症例は術前のレントゲン検査で偶発的に両側の膝関節の変形性関節症が見つかったため、そちらの治療も始めました。

丸で囲ってある部分にはすべて骨棘が出来ています。本来であれば、これらの骨は存在しないものです。関節炎が末期になると骨増生(骨が過剰に作られてしまう病態です)が強くなり、このような状態に進行してしまいます。

変形性関節症は痛みが主な症状ですが、猫ちゃんは元々の生活スタイルが原因で関節炎の発見が遅くなると言われています。元々がのんびりごろごろして過ごしている子も多いため、痛くて動けないのか、のんびり寛いでいるだけなのか見分けがつきにくいのが特徴です。

関節炎の痛みから、普段ジャンプできていた場所に登れなくなる、動く時にためらう、遊びをすぐにやめてしまう、寝ている時間が長くなる、爪研ぎが減る、爪研ぎをしているのに爪が尖らずに平べったい、活発でなくなる等の症状に繋がります。

28日効果が長く持続するお注射タイプの関節炎の新薬「ソレンシア」を始めたところ、久しぶりに動きも活発になり、お家でも快適に過ごせているようです。

関節炎の痛みはペットさんにとっても辛く耐え難いものです。1歳以上の猫ちゃんで74%、12歳以上の猫ちゃんで90%の確率で変形性関節症が認められています。また、スコティッシュフォールド、マンチカン、日本雑種は変形性関節症を起こしやすい品種です。万が一、上記の症状が愛猫に見られた場合は、早めの受診をおすすめします。

 

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