症例紹介

CASE

  • 2024.4.20

No.236外科症例(犬、肝細胞腺腫)

症例は低アルブミン血症を基礎疾患として持っている14歳のシニアのコーギーです。基礎疾患のコントロールは良好でしたが、いつもの定期検診の際にお腹が張っており、体重が落ちていたため定期検診にレントゲン検査、エコー検査を追加しました。画像検査を行ったところ、肝臓に14cmの大きな腫瘤(できもの)が出来ているのが発見されました。

オレンジの丸で囲っているのが肝臓にできた腫瘤です。かなり大きくなっており、腸など他の腹腔内臓器を端に押しやっている状況が見て取れます。

 

 

 

 

 

 

手術を行い、腫瘤を摘出しました。

麻酔もとても順調で、麻酔リスクのある基礎疾患を持っていましたが、何ら問題なく無事に手術を終えることが出来ました。腫瘤の表面には大網と呼ばれるお腹の中の脂肪が癒着していました。腫瘤の大きさに耐えられず表面が裂けて破れる「自潰」やそれに伴う「炎症」があったことが推測されます。

 

 

かなり大きな腫瘤であったため、術後翌日の体重測定では760gも落ちていましたが、体調も安定しており、みるみる体重も増え、退院する頃には元に戻ってくれました。

摘出した肝臓腫瘤の病理組織検査では「肝細胞腺腫」でした。肝細胞腺腫とは、肝臓の組織に由来する良性の腫瘍です。今回の病理検査で、腫瘍が手術でしっかりと取り切れていたこともはっきりしました。

退院後も臆することなくトコトコと診察室に進んで入ってきてくれ、スタッフにとってはこれ以上ない喜びです。

術後の通院も無事終わり、治療は一旦終了です。これからも元気いっぱいのシニアさん目指して健康第一でがんばろうね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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