症例紹介

CASE

  • 2024.8.1

No.257外科症例(犬、子宮蓄膿症)

15歳のチワワちゃん

前日から元気がなく、よろけるとのことで来院されました。

来院時にはかなり意識レベルが低下し、自力で立つことが困難な状態でした。

急いで精密検査に入り、子宮蓄膿症・腎不全・急性膵炎・変形性脊椎症と診断しました。

腹部は大きく腫大し、腹腔内に腫瘤病変が確認できました。また、変形性脊椎症という腰椎の変形も認められました。

超音波検査にて子宮内に多量の液体貯留が認められたため、腹腔内の異常描出は子宮と判断し 「子宮蓄膿症」と診断しました。

また、CREA上昇およびBUN高値のため、「腎不全」を併発していました。その他、膵炎の検査でSpec cPL:1900μg/Lと「重度の急性膵炎」も認められました。

「子宮蓄膿症」とは、子宮内腔に膿がたまる病気です。中齢~高齢犬で発症しやすく、生命の危険性が高い病気の1つです。発見が遅れると、死に至る可能性もあります。

子宮蓄膿症の治療方法は、第一選択として「子宮卵巣摘出術」という外科治療です。

抗生剤や抗炎症薬などでの治療も必要となります。

以上の所見からすぐに緊急手術が必要と考えましたが、様々な病気を併発しているだけでなく、意識レベルが低下し横臥状態でありました。

手術や麻酔の危険性がかなり高い状態であったため、飼い主さまとしっかり話し合いました。危険性を理解したうえで手術をご希望されましたので、すぐに緊急手術を行うことになりました。

手術では重度に腫大化した子宮と卵巣を摘出しました。

手術は無事に成功し、麻酔もしっかり覚めてきました。

その後は入院治療に入り、徐々に歩いたり、ご飯も食べてるように回復してきました。

 術後、意識レベルは徐々に改善し自分で立てるようになりました。缶詰も食べれるようになりました。

顔つきもしっかりしてきました。

膵炎は入院中に完治し、腎数値はかなり下がりました。

今後は定期検査を行い、腎不全を上手にコントロールしてもっと長生きしましょうね☆

 

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