症例紹介

CASE

  • 2024.11.8

No.283外科症例(犬、鼠径ヘルニア)

今回の症例は鼠径ヘルニア整復手術のご紹介です。

鼠径ヘルニアとは、鼠径部(後ろ足の付け根あたりのことです)に穴があき、お腹の中の臓器がその穴(ヘルニア孔)から出てきてしまう病気です。先天的に発生することが多く、片側、両側のパターンがあります。太ももの付け根が膨れるので、お家でも見つけやすい病気の一つです。

初期のうちは、ヘルニア孔を通って臓器が出たり入ったりするので、膨らみの大きさも一定ではないことが多いです。例えば、立たせると膨らみがあり、寝っ転がると膨らみが消えてしまうように見えるのもこれが理由です。
症状はヘルニア孔から出てくる臓器により異なります。例えば、ヘルニア孔から膀胱が出たら排尿障害が起こり、腸がでたら嘔吐・食欲不振などの消化管障害が認められるようになります。お腹の中の脂肪が出て、全く症状がない場合もあります。
病気が進行して、嵌頓(かんとん:臓器が炎症により癒着して、出たり入ったりの動きがなくなること)すると、臓器が常にヘルニア孔から出た状態となり、いつでも膨らみが確認できるようになります。また、炎症により痛みを感じることも出てきます。ヘルニア孔の大きさや炎症の程度によっては、飛び出している臓器の血の流れが悪くなり、臓器がうっ血したり壊死してしまうこともあります。

治療は外科手術でヘルニア孔を塞ぎます。

ヘルニアの手術だけであれば、入院も不要で当日お家に帰れます。臓器を本来あるべき場所に戻して、ヘルニア孔を縫合するため、手術前のような痛みや炎症がなくなります。

お家の子の太もも付け根に膨らみがあったら、すぐにご相談ください!

 

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