症例紹介

CASE

  • 2022.6.7 症例紹介

内科症例(10ヶ月齢、猫、尿道閉塞による急性腎不全)

他院で膀胱炎と診断され、3日間抗生剤治療を受けているが悪化傾向にあるとのことで当院を来院されました。熱が40度近くあり、食欲がないとのことでした。

症例:10ヶ月齢、去勢雄、マンチカン、体重3.6㎏

当院に来院された時は、体温37.2度と低体温になっていました。触診にて、膀胱は重度の硬結感があり、多量の畜尿が認められました。レントゲン検査所見で、拡張した膀胱を認めたため、尿道閉塞を疑いました。

超音波検査では、両側の腎臓が腫大し、腎盂の拡張が認められました。

 

以上の結果から、尿道閉塞と診断しました。

血液検査所見では、

重度の腎不全および高カリウム血症、黄疸とかなり危険な状態であることが分かりました。

すぐに尿道閉塞を解除し、300ml程度の尿を抜去しました。尿は真っ赤で、まるで採血した血液のようなとても濃い赤色尿でした。

血管点滴も開始し、抗生剤や止血剤などの治療も行いました。

数日で順調に自力排尿が出来るようになり、日に日に元気を取り戻してくれました。3日後の血液検査データでは、急性腎不全は改善され、腎数値は正常化されました。また、高カリウム血症も改善されました。

一次は危険な状態でしたが、10日後には元気に退院することが出来ました。

<急性腎障害>急性腎障害の原因は腎前性/腎性/腎後性に大きく分類されます。

腎前性・・脱水などによる腎血流の減少/腎性・・腎実質障害/腎後性・・尿管~尿道までの閉塞猫では腎前性(約5%)、腎性(約30%)、腎後性(約35%)、原因不明(約30%)とされています。

治療は輸液療法が主体であります。ただし、感染や尿路閉塞が見つかった場合はそれらを同時に治療していくことが重要です。

予後は腎障害の原因によって異なりますが、全体の死亡率は約50%と報告されています。

 

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