症例紹介

CASE

  • 2018.7.4

No12.外科症例(猫、肝臓部分切除)

症例は高齢の猫。基礎疾患:腎不全

超音波検査で、肝臓に「嚢胞(水風船のように、中に液体が溜まっている袋です。中の液体は様々で血液や漿液などです。)」が見つかり、それが4センチほどに大きくなり胃を圧迫していた為、手術に踏み切りました。この子の場合は、元々腎不全を患っている子なので、そのケアも行いながら手術や術後管理を行いました。幸い、腎不全のコントロールは大変良好で、手術や麻酔の影響もほとんど出ませんでした。

手術では、嚢胞ごと肝臓の一部を切除しました。嚢胞の中身は透明でややとろみがかった液体が貯留していました。

切除した肝臓は病理検査に外注し、「どうして肝臓に嚢胞が作られていたのか?」、「腫瘍などが隠れていないか?」を、病理診断医に診てもらいました。その結果は、「胆管細胞癌」でした。胆のうと呼ばれる、胆汁を貯蔵している袋から出る「胆管の癌」です。併せて、今回の手術で腫瘍細胞が取り切れていると診断が下りました。

とは言え、これは悪性癌ですので、たとえ手術で取り切れていても、十分に注意が必要です。局所再発(同じ部位に再度腫瘍ができること)や転移が起こることが報告されています。化学療法(抗がん剤)の効果はまだ報告されていない腫瘍のため、今後は定期検査でフォローアップをしていきます。

手術後は、本人の体調も良くなり、飼い主様も思い切って手術をしてよかったと、とても喜んでいらっしゃいますので、有り難い限りです。今後も定期検査をしながら、少しでも長く快適に生活できる様にサポートをさせていただきます。

 

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