症例紹介

CASE

  • 2022.5.21

No155.外科症例(犬、精巣腫瘍)

トリミングサロンで「精巣の大きさが違う」とご指摘をいただいたとの主訴で来院したゴールデンレトリバーのシニアの男の子です。

手術で腫大した精巣を摘出することになりました。

摘出した精巣を病理組織学的検査したところ、左右両方の精巣に「精細胞腫」という腫瘍が見つかりました。幸い、腫瘍は精巣内のみで、手術で取り切れていたため、無事、治療終了となりました。

去勢をしていない男の子は、6歳以降から性ホルモンを分泌する前立腺や精巣のトラブルの発生率が増えてきます。定期的なエコー検査や予防のための去勢手術で、健康を見守っていきましょう。

「精巣腫瘍について」

犬の精巣腫瘍ではセルトリ細胞腫・精上皮腫(セミノーマ)・間細胞腫(ライディッヒ細胞)の3つ腫瘍が多くみられます。発生頻度はほぼ同等であります。それ以外はまれである。

一般的に精巣腫瘍は猫より犬の方が発生が多く認められます。通常は10歳以上の高齢犬に発生ますが、潜在精巣の犬には若齢でも見られます。

<精上皮腫(セミノーマ)>精巣の生殖細胞から発生したものです。大型になりやすく、腫瘍に置き換わりやすい特徴があります。雌性化を伴うことがあります。

<セルトリ細胞腫>製紙を育てる精細管を支持する細長い細胞のことであり、支柱細胞から発生する腫瘍です。エストロジェンを産生し、骨髄抑制を引き起こすことがあります。また、雌性化を伴うことがあります。

<ライディッヒ細胞腫>陰嚢内の精巣に発生し、セルトリ細胞腫を併発することが多い。この腫瘍はアンドロジェンを産生し、男性ホルモンの不均衡を引き起こします。

予後は精巣摘出をすることで良好ですが、骨髄抑制が認められるような症例では予後が不良な場合があります。

 

 

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