症例紹介

CASE

  • 2022.4.8

No.150外科症例(猫、乳腺腫瘍における乳腺全層切除術)

猫ちゃんが肛門腺しぼりのために来院されました。便秘かどうかも気になるとのことで、腹部を触診しました。宿便は少なく、便秘ではありませんでした。しかし、その際、乳腺に数個のしこりが触れたため指摘致しました。飼い主様は気が付いていなかったとのことでした。

猫の乳腺腫瘤は80%が悪性腫瘍であるため、右側の乳腺を全層切除して検査をすることとなりました。

病理組織検査の結果は「腺管癌」であり、悪性腫瘍でした。術前検査で胸部(肺)には転移所見がないため、今後は左側の乳腺の定期チェックと胸部レントゲンの定期検査で再発や転移の有無を調べていきましょう。

術後はとても元気で、3日後には無事に退院いました。

「猫の乳腺腫瘍」・・・

猫の乳腺腫瘤の80%は悪性、20%は良性腫瘍であります。そのため、猫ちゃんで乳腺にしこりが見つかった場合、早急に検査や手術を行いましょう。

乳腺腫瘍の原因:高齢で、特に未避妊の猫は性ホルモンが原因で乳腺腫瘤が出来やすくなります。しかし、避妊手術を受けた雌猫にも乳腺腫瘍は発生します。稀に雄猫にも発生します。

臨床症状:特に症状がない場合が殆どです。リンパ節や肺転移などがある場合には、呼吸困難や元気消失、食欲低下などが見られる場合があります。

乳腺腫瘍の検査:主に触診で乳腺の腫瘤を発見します。腫瘤が見つかった場合、細胞診などの簡易検査で除外診断をします。また、組織生検や手術切除した組織を外部検査に出し、病理組織検査を行うことで確定診断に至ります。

そのほか、胸部レントゲン検査やCTを行うことで、肺などに転移病変がないかを確認します。

乳腺腫瘍の治療:第一選択は外科手術による切除です。悪性の場合は、片側の乳腺を全て切除し、転移や再発の抑制に努めます。(乳腺全層切除術)

乳腺腫瘍は早めに発見し、手術することを心がけましょう。そのためには、定期的にお家でボディーチェックを行うことをお勧めします。

 

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