症例紹介

CASE

  • 2022.6.23

No.161外科症例(犬、眼球破裂)

14歳のパピヨンちゃん。

2021年12月に左副腎腫瘍のため、当院で副腎摘出手術を受けられました。投薬治療や自宅皮下点滴を行いながら腎不全の治療をしています。闘病中ですが、元気に生活していました。

2022年5月16日に右眼が白くなっているとのことで診察にいらっしゃいました。診断の結果は右眼の緑内障(眼圧:82mmHg)でありました。眼科専門医へのご受診は希望されず、点眼薬のみでの治療をご希望されました。治療2日後の眼圧は58mmHgと少し改善があったため、3日後の再診をお願いいたしましたが、ご来院がありませんでした。

2022年6月15日に右眼を診て欲しいとのことでご来院されました。かなり深い大きな角膜潰瘍があり、眼圧が11mmHg と低下していたため、眼球破裂の予防として眼球摘出をご提案しました。手術はご家族で話し合うとのことで、保留となりました。

2日後の6月17日に再診されましたが、すでに眼球が破裂をしていたため、そのまま緊急手術となりました。

 

手術は無事に成功し、麻酔も安定した状態で手術を終えました。

摘出した眼球です。

術後は手術前よりも元気になったと飼い主様は喜んでいらっしゃいました。きっと、数日前から眼球に痛みがあったのでしょう。食欲もなかったとのことですが、手術翌日はご飯をもりもり食べてくれました。

<角膜潰瘍/眼球破裂>

角膜潰瘍・・角膜の一部が傷ついて、薄くなる状態です。症状は眼脂が出る、眼をしょぼしょぼさ  せる、充血しているなどがあります。                           眼球破裂・・角膜潰瘍部などから眼房水や水晶体など眼球の内部構造物が脱出することです

診断・・フルオレセイン染色を実施し、黄緑色に染色されれば角膜潰瘍と診断します。

治療・・点眼薬などを用い、角膜の保護治療および予防的抗菌薬治療を行います。1週間以上経過しても、治癒しない場合は非単純性潰瘍として高度な治療が必要となります。内科治療で良化しない場合は治療用コンタクトレンズの使用や眼瞼縫合などを考えます。眼球が破裂してしまった場合は眼球摘出術という外科手術を行います。

眼をしょぼつかせるという症状はよく見られるため、気になる場合は一度受診をお勧めします。

 

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