症例紹介

CASE

  • 2023.5.19

No.188外科症例(犬、爪楊枝の誤食)

7歳、ポメラニアン、避妊雌の症例です。

爪楊枝をいじった痕跡があり、爪楊枝の3分の2本程度が見つからないとのこと。おそらく食べたのでは?とのことでご来院されました。

誤食している可能性が高く、かつ爪楊枝の先端を食べたとのことでしたので、胃切開手術を行う事としました。

結果的には胃内に爪楊枝が存在し、大量のおやつと共に爪楊枝を無事に摘出する事が出来ました。

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その後入院治療を行いました。血管点滴治療を行い、食事も徐々にスタートいました。

飼い主様が毎日、ご面会にいらして下さいました。

食欲はとても旺盛で、元気も良かったので、5日後には無事に退院しました。

<犬の誤食について>

誤食とは?・・食べてはいけないもの(有害なもの)を誤って食べてしまうことを言います。

治療方法は?・・

①誤食して30分~1時間以内であれば、催吐(吐かせる処置)させることで、胃内から誤食したものを吐かせます。催吐方法としてはトランサミンという薬を静脈投与します。ひと昔前は、食塩を飲ませて嘔吐させたり、オキシドールを飲ませて吐かせたりする時代もありました。しかし、胃粘膜が爛れるなど副作用が強いため、現在ではこの方法は使われていません。

②鋭利な物や長い棒状の物は催吐(吐かせる)と危険です。食道に刺さったりすることで、食道穿孔を起こす可能性があります。そのため、鋭利な物を誤食した場合は胃切開手術を行うことがあります。

③トランサミン投与で吐かせることが出来ない場合は内視鏡手術などで摘出できる場合もあります。異物の大きさや形、素材によっては内視鏡での摘出が困難な場合もありますが、開腹せずに異物を胃内から摘出できる可能性があります。

予防は?・・誤飲・誤食を防ぐためとはいえ、愛犬から常に目を離さないでいることは難しいです。まずはおうちの環境を整えることで防止するのがおすすめです。

危険なものは手も届かないところに置く/フタ付きのゴミ箱を使う/留守番中はケージやサークルに入れる/コマンドでくわえた物を離すトレーニングをしておく/ストレス軽減の工夫をする

危険を予め回避する環境づくりをしましょう。そして、普段から一緒に遊ぶ時間を作ってあげたり、楽しくお散歩に行ったりして、心ゆくまでコミュニケーションをとってあげましょう。

 

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