症例紹介

CASE

  • 2022.4.20

No152.外科症例(犬、膀胱結石)

健康診断で多数の膀胱結石を認めた15歳の柴犬くん。初めての健康診断を受けたところ、いくつかの病気が発覚しました。胆泥症、軽度腎不全、膵炎、膀胱結石などが認められました。

飼い主様のご意向により、膀胱結石を取り除きたいとのことで手術を行うこととなりました。

15歳の高齢犬でしたが、手術も無事に終えました。

摘出した結石⇒⇒

結石分析の結果「シュウ酸カルシウム 98%」でありました。

術後のレントゲン検査で、膀胱結石が取り除けていることを確認しました。

入院も4日間で、ご飯もいっぱい食べ、元気に退院しました。

シュウ酸カルシウム結石のため、再発が予想されます。今後も健康診断を続けましょう。

「シュウ酸カルシウム結石」

犬の尿石症はストラバイト尿石症とシュウ酸カルシウム尿石症で、全結石症の90%を占めています。両者の発生率は、ほぼ同等であることが分かっています。若齢ではストラバイト、高齢ではシュウ酸カルシウムが多くなる傾向にあります。

治療上では、ストラバイト結石は溶解可能な結石であるが、シュウ酸カルシウムは溶解の出来ない結石であります。

治療法・・・シュウ酸カルシウム結石の場合は外科的に摘出することが第一選択となります。

シュウ酸カルシウム結石のリスクファクター・・・①高比重尿症 ②過シュウ酸尿症 ③過カルシウム尿症 ④シュウ酸カルシウム形成阻害因子の減少 であります。これらのリスクファクターを取り除く試みをしましょう。

再発リスクの軽減・・・ステロイドやビタミン剤、カルシウム剤の中止。ストラバイト溶解食の中止。食事中のカルシウム・シュウ酸・ナトリウムを減少させる。水分摂取量の増加。

 

 

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