症例紹介

CASE

  • 2022.10.15

No.172外科症例(犬、胆嚢粘液嚢腫における胆嚢破裂)

初めて当院にご来院された雄のチワワ君。食欲不振と嘔吐でご来院されました。1日目は制吐薬の注射と点滴を行い、翌日までに食欲が改善しなければ検査をすることとしました。心雑音が認められたが、かかりつけ医では検査や治療は不要といわれているため、無処置であるとのことでした。

翌日、嘔吐は治まり、少し食べるようになったとのことでした。まだ食欲が少ないとのことで、検査をお勧めし、ご了承を頂きました。

血液検査にて、肝酵素が上昇し、黄疸が認められました。

<血液検査所見>ALT(679U/L)、ALP(>2000U/L)、GGT(31U/L)、TBil(1.3㎎/dⅬ)、WBC(27.71K/μL)

<超音波検査所見>胆嚢粘液嚢腫を疑う。胆嚢壁辺縁が一部不明瞭。前立腺肥大あり。      心臓は僧帽弁閉鎖不全症と診断。(心拡大重度)

以上の結果より、胆嚢粘液嚢腫による胆管閉塞が生じ、黄疸になったと考えられます。胆嚢破裂の危険性もあり、救急手術を飼い主様と相談し、夜間手術を行いました。

<手術所見>胆嚢は破裂し、ゼリー化した胆汁が腹腔内に認められた。胆嚢は全体に固形化していた。胆嚢を切除し、胆管の洗浄を実施。また、腹腔内洗浄も行った。

心臓がかなり悪かったので、麻酔のリスクは高かったですが、手術も無事に終わり、夜9時過ぎごろ飼い主様にご面会にお越しいただきました。

頑張ってくれたチワワ君。飼い主さまもワンちゃんも安心した様子。このまま入院治療となります。

手術5日後に退院となりました。

<退院時の血液検査所見>ALT(348U/L)、ALP(1451U/L)、GGT(24U/L)、TBil(0.5㎎/dⅬ)、WBC(19.74K/μL) と黄疸は改善し、肝酵素も下がってきました。

退院後、食欲も元気もすっかり取り戻し、状態は安定しました。

<退院5日後(手術後10日目)の血液検査所見>ALT(111U/L)、ALP(505U/L)、GGT(12U/L)、TBil(0.2㎎/dⅬ)、WBC(15.78K/μL) とほぼ正常になりました。

 

 

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