症例紹介

CASE

  • 2023.10.27

No.213外科症例(ウサギ、腹壁ヘルニア)

「1ヶ月ほど前からおしっこを小出しにする。おしっこが出にくそう。」いう主訴でウサギさんがご来院されました。

診察室でも、おしっこが常に漏れ出ており、辛そうにずっと中腰体勢でした。出てくるおしっこの中には時折、粘土のようなドロドロの灰色の物体が多量に含まれていました。おしっこが常に漏れ出ている影響で、陰部の周りの皮膚が赤くただれ、毛もなくなってしまっていました。

触診にて下腹部に膨らみがあり、検査の結果、腹壁ヘルニアからの膀胱の突出が疑われました。

オレンジで囲っている臓器は膀胱です。腹壁から出てお腹(腹筋)の外にあります。また膀胱から尿道が繋がっていることがわかります(矢印)。

手術時の状況です。お腹の下の方(尾に近い側)が膨れていることがわかります。この下に膀胱があります。

実際に開腹してみると、

膀胱と脂肪組織がヘルニア孔を通って外に出ています。

水色で囲った部位がヘルニア孔です。腹筋に穴ができ、そこから腹部臓器が出てきます。本症例はすでに癒着しており穴から出たり入ったりしない状態(「嵌頓/カントン」と言います)だったため、癒着を少しずつ剥離し、本来あるべき腹腔内に臓器を戻しました。その後は、腹筋を処理し、縫合をして手術は無事終了。

術後は以前のような尿もれも一切なくなり、元気に過ごしています。

おしっこが出にくそう。トイレに行く頻度が多い。尿が漏れる。など、排尿に伴うトラブルも少なくありません。お家でもペットちゃんたちの様子をしっかりチェックしていただき、なにかご心配がありましたらいつでもご相談ください。

 

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