症例紹介

CASE

  • 2022.8.25

内科疾患(犬、誤嚥性肺炎)

他院で軟便の治療で通っていたというポメラニアンちゃん。

突然、複数回吐き始め、かかりつけ医を受診した。注射や点滴で治療を受けるが、改善せず、呼吸までも荒くなってきたとのことで、二次病院を紹介されました。

二次病院では、食道拡張症および誤嚥性肺炎と診断されました。二次病院で入院をしましたが、主治医への不信感を理由に、飼い主様のご希望で当院への転院を希望されサードオピニオンとして来院されました。

来院時は、元気や食欲が無く、呼吸も努力性でありました。咳もひどく、唾液の吐出も複数回認められました。

レントゲン検査では、右中葉の肺野が不透過性であったため、誤嚥性肺炎として治療を開始しました。

 <治療前>

入院で抗生剤治療による肺炎の治療および食道炎の治療を行いました。

日に日に元気になり、吐出も徐々に収まり、食欲も改善しました。

入院9日目には肺野も良化し、元気に退院しました。

 <治療後>

今後は食道拡張の継続治療および誤嚥性肺炎の再発予防に努めたいと考えています。

誤嚥性肺炎は以下のような病気です。吐いた数日後から呼吸が苦しいなど、異常が認められた場合は早めの診察を推奨いたします。

唾液や食べ物あるいは、胃液などを吸引することによって生じる肺炎です。※誤嚥したからといって必ず肺炎を発症するわけではありません。

誤嚥性肺炎による感染性肺炎には3ステージがあります。

  • pHの低い誤嚥物による科学性肺炎
  • 大量の中性液体による浸漬
  • 炎症と小気道閉塞

によっておこるとされています。

 

【肺炎リスクの高い因子】

  • 食道疾患・咽頭疾患などの、上部気道疾患
  • 嘔吐や吐出・大量の流涎の既往
  • 強制給餌
  • 犬種(短頭種)
  • 加齢による嚥下機能の低下
  • 免疫抑制状態

短頭種では、4~5倍リスクが高いとされています。また、免疫抑制状態にある動物は誤嚥性肺炎が重症化する可能性が高いとされています。

【検査方法】

  • 身体検査
  • レントゲン検査
  • 血液検査

【治療方法】

  • 抗菌薬投与
  • 気管支拡張剤の使用
  • 酸素投与
  • 輸液療法
  • ネブライザー療法

【おうちでの簡単チェックポイント】

・呼吸の回数・呼吸の仕方・舌の色,目の充血具合・意識の状態

 

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