症例紹介

CASE

  • 2024.3.15

内科症例(猫、猫伝染性腹膜炎FIP)

症例は1歳7ヶ月令のラグドールです。食欲不振と嘔吐、元気消失を主訴にご来院されました。食欲は8割程度は食べるがなんとなく食いつきが悪い、ずっと寝てばかりで機嫌が悪い、週に1回吐くという内容でした。

39.4度の微熱が認められ、お腹にしこりが触知されました。遺伝子検査、血液検査などの精査から猫伝染性腹膜炎(FIP)のドライタイプと診断し、治療を開始しました。

猫伝染性腹膜炎はコロナウイルスによる感染症です。数年前までは治療法がなく、致死率の高い感染症でした。しかし、現在では新しい治療法が見つかり、当院でも猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療に積極的に取り組んでいます。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の特徴は、1歳未満の若い猫に多い感染症です。

猫伝染性腹膜炎(FIP)には2つのサブタイプがあり、それぞれウェットタイプとドライタイプと呼ばれています。
ウェッチタイプは胸水や腹水が貯留することが特徴で、一方のドライタイプは脾臓、大網、肝臓、腎臓、小腸などにしこり(化膿性肉芽腫性病変と言います)ができることが特徴です。

猫伝染性腹膜炎(FIP)の初期症状は、発熱(抗生物質などの治療に反応しない)、食欲不振、元気消失などです。初期症状はどれも猫伝染性腹膜炎(FIP)に特有なものではなく、多くの他の疾患と同じような症状です。
進行に伴い、黄疸や目で見える粘膜が白くなる(唇や歯肉などがわかりやすいです)、お腹がぽっこり張ってくる、呼吸が苦しくなるなどの症状も出てきます。また、神経症状や目の症状が見られることもあります。

本症例は治療を開始して2日後には、熱が平熱にまで下がりました。食欲も元気な頃と同じレベルに回復し、15%減少していた体重もすぐに増え始めました。元気・機嫌もすっかり元に戻りました。治療を開始してわずか2日後に元気になり、あまりの快調ぶりに飼い主様も驚かれていました。
そして、血液検査の結果も日を追うごとにみるみる改善し、治療を開始して1ヶ月後には正常値になりました。

 

猫伝染性腹膜炎(FIP)は「早期に治療をしてあげられるかどうか」がとても重要な病気です。しかし、症状だけではでわかりにくいことも多くあります。若い子に多い病気ではありますが、どの年齢の猫ちゃんにも起こる可能性はあります。もし、お家の子で気になる症状がある、猫伝染性腹膜炎(FIP)と診断されてが治療ができないと言われた(現在のところ、猫伝染性腹膜炎の治療を導入されていない動物病院さんも多くあります)などありましたら、すぐにでも当院へご相談ください!

猫伝染性腹膜炎(FIP)で苦しむ猫ちゃんを1頭でも減らしたい!その想いで、飼い主様と一緒に積極的に治療に取り組んでいます!

 

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MORIYA Animal Hospital
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