症例紹介

CASE

  • 2024.3.9

No.235外科症例(犬、臍ヘルニア、去勢手術・潜在精巣・陰睾)

潜在精巣の去勢手術を受けた1歳のシェットランドシープドッグです。

元々、犬の精巣はお腹の中にあり、出生後、お腹から鼠径輪という穴を通って陰嚢の中に収まります。これを、「精巣下降(せいそうかこう)」と言い、出生後1ヶ月ほどで完了します。
本来、陰嚢の中に降りてくるはずだった精巣が降りてこないことを「潜在精巣(せんざいせいそう)」や「陰睾(いんこう)」と言います。生後6ヶ月頃までに精巣下降が確認されない場合、潜在精巣と診断されます。

陰睾には2つのパターンがあり、お腹の中に入ったままの「腹腔内陰睾(ふくくうないいんこう)」と鼠径輪から出てきたが陰嚢まで辿り着かなかった「皮下陰睾(ひかいんこう)」です。
潜在精巣の子は、自分の体温で精巣内の精子が死滅し、精巣が腫瘍化してしまうリスクが高いことが知られているます。そのため、トラブルになる前の早い段階での去勢手術が理想とされています。

この症例は、臍ヘルニアもあったため、潜在精巣の手術時に併せて処置しました。

 

水色の丸が臍ヘルニアです。多くの子はお腹の中の脂肪が出てきています。パッと見るだけでも気付くような膨らみになっています。

紫の丸は左側の健常な精巣です。この症例は、腹腔内陰睾でしたので写真には右側の精巣が映っていません。

 

 

 

 

摘出した精巣です。

左右の精巣でサイズが違うことが見て取れます。本来は左右同じサイズである精巣の一方がお腹の中に留まってしまったことにより、上手く発育せず、小さいままです。

 

 

退院後、お家でも元気いっぱいに過ごしていたようで、カラーはあっさり壊れてしまったようです。抜糸も終わり、カラーも必要なくなったので気兼ねなく思う存分遊べますね♪
今回、手術を頑張ってくれたおかげで、腫瘍になるリスクもなくなり良かった!

 

 

 

男の子の去勢手術も女の子の避妊手術もそれぞれ多くのメリットがあります。その一方で、太りやすくなる、手術・麻酔をするときの飼い主さんのご不安など、どうしても心配に感じてしまう一面もあると思います。手術前にしっかり術前検査を行い、また獣医師・動物看護師から事前の説明を丁寧に行うことで、少しでも飼い主さんの心配を減らし、手術に臨めるよう心がけています。

去勢手術・避妊手術のことで何かご質問がありましたら、いつでも当院にご相談ください!

 

 

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